2019年1月8日 | 思うこと

美容室の経営者に権威があった時代

懐かしいモノが出てきました。美容師の国家資格を得る時に保健所に提出したインターン届です。ボクが国家資格を取った時代は美容学校は1年制でその後インターン期間が1年間ありそのインターン期間の実習についての届を保健所に提出するという方法でした。昭和50年代の時代です。美容室の経営者が「先生」と呼ばれていた時代で印を押しているのはボクの母親です。ウチの母親であり「先生」は中卒です。多い時で5人ほどのスタッフがいた小さな美容室の経営者です。戦前戦後に生きた人で母親には兄弟が8人あり姉だったので中卒ですぐに美容師の修行をして21歳の時には大阪の寺田町という下町でセット面2面シャンプー1台の小さな美容室を開業しました。売上のほとんどを家に入れて家計を助けて家を支えました。なのでウチの母親であり「先生」は中学校しか出ていませんが弟妹は大学まで出ています。学歴はありませんがそういう母親をボクは尊敬しています。話が横道にそれましたが、インターン制度があった頃の「先生」には権威はありました。保健所に提出するインターン届に印を押さないと国家試験を受けられないからです。もちろんことさらにその権威を振り回す訳ではありませんが自然とその権威は感じることが出来た時代です。学歴じゃなく職人としての権威です。その後、東京のカリスマ店の「無免許美容師」の問題が発覚し厚生労働省が美容学校で国家試験を簡潔させる制度で美容学校2年生が始まりました。誰も気づかない事でしたがこの時に「権威」は先生から美容学校に移ったのです。最近は、労働としての美容師が多くなり技術を教えてもらった「先生」に対する恩や感謝の念もすっかりなくなり職人の世界がサラリーマン化しそれと同時に美容師のレベルが下がっているのではないかと思う事象が多々あります。この時代が良かったとは言いませんが技術を習得することへのハングリー精神のようなものは今よりもあったように感じます。